シリンダーヘッドとシリンダーの間からオイルが漏れてきました。
こういう場合、オイル漏れを外から止めるのに クイックフィックス なんて製品があります。
これで解決出来そうですが、その前に、シリンダーヘッドのナットの締付が甘いかもしれないので(ド素人判断)、ナットの増締め(もちろん規定値内で)を行う事に。
その場合、トルクレンチを使うために、シートとタンクとその他諸々を外さなければならないのが面倒です。
簡単な作業だし、頻繁にやる事でもないけれど、今後の事を考えて、タンクを外さずにシリンダーヘッドのナットの増締め方法を考えました。
私のトルクレンチは30年ほど前に買った80N・mまで設定出来るものです。
バイクを降りたあとはサンバーのタイヤ交換専用となりました。
サンバーのタイヤロックナットの締付トルクは80~100N・mです。
なのでギリギリ間に合います。
が、実際はちょっと足りません。
80N・mで締め付けた場合、しばらく走行すると少し緩むので、ちょっと心配。
という訳で、トルクレンチの音がカチっと鳴ったあと、気持ち多めに回してやります。
それで事足りるのですが、正確にトルクを測りたくなり、オフセットアダプター という物を使うようになりました。
オフセットアダプターを使用するためには更に、ギアーテックアダプター という工具が必要です。
一式になります。
DRAPER トルクレンチ 差込角9.5mm(3/8インチ)。
トネ(TONE) オフセットめがねアダプターFWA3-13 二面幅13mm。
SK11 ギアーテックアダプター3/8インチソケット用 二面幅13mm。
京都機械工具(KTC) 9.5mm (3/8インチ) ディープソケット (六角) 19mm B3L19。
合体するとこんな感じ。
こうならないように・・・
トルクレンチとオフセットアダプターを一直線上に保持します。
この状態を保持しながら使うのはちょっと面倒です。
すぐズレようとします。
使いにくいのでこのセットはお勧めしません。
おすすめしないけれど後の話に必要なので続けます。
アダプターを使う場合はトルク値を補正してやらなければなりません。
【計算式】
計算式は説明書にあります。
補正値の算出方法は簡単です。
まず、3つの数字を出します。
- 得たいトルク値
- トルクレンチの有効長
- アダプターの軸長
以下その数字です。
得たいトルク値
100N・m
有効長
200mm
軸長
51mm
得たいトルク値と有効長と軸長を計算式にあてはめていきます。
※計算式が上の画像のTONEの説明書とちょっと違うのですが、結果は同じです。
以上、トルクレンチのメモリを最大の80N・mに設定して、オフセットアダプターを装着すると、タイヤロックナットに掛かるトルクは約100N・mになります。
やっとここから本題になります。
以上に習って、狭い隙間で使えるオフセットアダプターもどきを作ります。
手持ちのレンチを使いシュミレーションした結果、メガネレンチ(12mm×14mm) と ヘキサゴンソケット(14mm) を新たに追加。
トルクレンチにヘキサゴンソケットを装着。
※私のトルクレンチの差込角は9.5mmです。ヘキサゴンソケットは二面幅14mmを使いたいのですが、差込角9.5mmに合うものはありませんでした。なので12.7mmのアダプターを介して装着しています。
ヘキサゴンソケット(14mm)にメガネレンチの14mm側を装着。
角度が付いたメガネレンチの軸長を測る場合はこんな感じで。
これで、狭い隙間にも、タンクを外さずに・・・
※ナットは12mm。
しっかりトルクを掛けられるようになりました!
注意点として、柄が長くなった分、軽い力で思う以上に大きな力が掛かるので、慎重にゆっくり力を掛けて回してやらねばなりません。
おわり