滑車を使ってボートを引き上げる
砂浜で滑車を使ってボートを引き上げる事に挑戦。
結果、長い距離を引っ張るのは無理でした。
使った滑車はこれ。
この商品は、3連定滑車と4連動滑車の組合せで8倍力になります。
【8倍力】
引っ張る物の重さが 250kg だとして計算してみます。
250 ÷ 8 = 31.25kg
空中に引っ張り上げる場合だったら、人の手には 31.25kg + α(アルファ)kg(摩擦などの抵抗)の力が掛かります。
しかし、空中に引っ張り上げるわけではありません。
砂浜上を引っ張るので、砂の抵抗や、勾配、ロープの長さ、摩擦などの要因により数値は変動します。
実際に引っ張る為に必要な力はいくつになるのか、私にはさっぱりわからない。
なので、実際に身を持って体感するしかありません。
で、実際に引っ張ってみました。
結果、全く動かない。
なぜ動かないのか?何が原因なのか?どうしたら動かせる?
足りない脳味噌で考えました。
- ロープの太さを変える。
- ロープの素材を変える。
- 滑車を追加する。
- 滑車を他の物にしてみる。
- 滑車と滑車の間を短くする。
- エンジンや備品を全て降ろしてなるべく軽くする。
- 船体を押してもらう(人員を1名追加)。
以上試してみたけれど、うんともすんとも動きません。
倍力システムでボートを引き上げる
紆余曲折有り、人力で引き上げる事は諦め、ガソリンエンジンで動く、ポータブルロープウインチPCW5000に頼る事になりました。
結果、ボートは機械で楽々引き上げられるようになりました。
が、それはそれとして、動力に頼らず、ロープと滑車だけを使って人力で重いボートを動かしたい!
という思いがぬぐい切れない。
そこで情報を探していたところ「倍力システム」というものを知ります。
倍力システムはレスキューの現場で使われているようです。
倍力システムの利点として思いつくのは下記のとうり。
- 滑車の数を減らせる。
- 滑車の数を減らす分、滑車の摩擦抵抗を減らせる。
- 滑車を減らす分、往来するロープの数が減らせるので、ロープ同士の絡みと摩擦抵抗を減らせる。
- ロープの長さを短く出来る。
- ロープの長さを短くした分、力が伝わりやすくなる。
ロープの長さで比較すると、3 連定滑車と 4 連動滑車の組合せの8倍力で、40mの距離を引っ張るとなると、ロープの長さは、最低 280m にプラスしてαm(ノット分)を追加しなければなりません。
それに比べて、 9 倍力システムの場合だと、最低160m(動滑車の移動によりもっと少なくても可能)有れば大丈夫。
滑車の組み合わせ方により、更に高倍力にしつつ、ロープの長さを短くする事も可能です。
デメリットとしては、動滑車(プルージックコード)の移動に手間が掛かります。
【9倍力】
で、実際に9倍力でボートを引っ張ってみました。
倍力システムを利用した結果・・・
あれだけびくともしなかったボートが動いた!
【3倍力】
また、3 倍力システムでも動いた!
動く事には動いたけれど・・・
つづく