海の手漕ぎボート釣り入門 体験記 保管場所とボート選び編

 

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「海の手漕ぎボート釣り入門 体験記」の3回目は保管場所とボート選び編です。

 

ボート置き場を確保する

ボート置き場

ボートを選ぶ前に考えなくてはいけない事。

それは、ボートの保管場所について。

保管場所を確保出来なければ、マイボートは所有出来ません。

自宅の庭など置ける場所がある方は問題無いですが、無い方はまず保管場所を探すという作業が必須となります。

そこで探し方ですが、ボート置場をネット検索してみると、いくつか出てきますが、数は少ないです。

少ないうえに、ネットを介して簡単にコンタクト出来るような場所は自ずと人が集中します。

そういう施設は常に満員御礼状態で、順番待ちは必至でしょう。

という訳で、いつになるか判らないものを待つより、自分の足を使って海辺を探索して見つける事をおすすめします。

自身の経験内でしか言えませんが、方法はそれが最速かと思います。

 

神奈川県内に限って言うと、海辺には個人が運営しているボート置場があります。

そこへ直接問い合わせてみましょう。

ちなみに私のボート置場はこんな感じで転々としました。

 

【置場経緯】

  1. 自宅アパートの部屋の中
  2. 民間駐艇場(現存)
  3. 漁師さんの場所を間借り(閉鎖)
  4. 民間駐艇場(2と同じ場所へ出戻り)
  5. 個人経営のボート置き場(閉鎖)
  6. 個人経営のボート置き場(閉鎖)
  7. 個人経営のボート置き場(現存)
  8. 個人経営のボート置き場(閉鎖)

 

以上のように、ほぼ個人運営の施設です。

私がお世話になった個人運営の施設は漏れなく高齢の方が一人で運営されていました。

そういった場所は宣伝なんていう事はしていないので、直接現地へ赴き問い合わせるしかありません。

注意点として、個人運営の施設は料金が安い分、充実した設備は見込めません。

上下架設備なぞ無く、ボートの出し入れは全て自分で行う事になります。

水が使えてトイレがあれば良いほうです。

また、運営を継承する人がいないという理由で、突然閉鎖なんて事がありえます。

ボートの保管方法

 

ボート置場を探していた当時を思い返すと、ミニボート置場は少なく、そう簡単に見つけられるものではなかった、という印象が強いです。

見つけられたとしても、すぐに閉鎖なんて事がありましたし、年々減少傾向です。

という訳で、ボート置場の確保は茨の道になるかもしれません。

 

ちなみに、私は料金の安さと24時間出入り自由に拘って、その条件を満たす個人が運営する駐艇場を好みましたが、人様におすすめするとしたら民間駐艇場のほうを推します。

整った設備により楽が出来るし、スタッフの方の存在は安心出来ます。

いつになるか判らないですが、気長に施設の空きを待つのも良いかもしれません。

いずれにしろ、そう簡単に確保できるものではないと思うので、常時カートップとか、車を駐車する普通の月極駐車場に置かせてもらうなど、他の方法も模索しながら気長に場所探しを進めるしかないと思います。

 

ボート選び

ボート置き場 手漕ぎ

自分でボートを所有すると思うと楽しいのですが、ボートを選ぶのもなかなか大変な作業です。

 

  • 保管場所の状況
  • 材質
  • 重さ
  • 乗船人数
  • 価格

 

自分のスタイルに応じて、以上考慮して選びます。

 

ハードタイプかソフトタイプか

手漕ぎボート釣り

ボートを選ぶ際、保管場所によって、所有出来るボートが制限される事を頭に入れておかなければなりません。

ボートの種類は大きく分けて、ハードタイプとソフトタイプ。

それぞれの特徴、メリット、デメリットを上げてみます。

 

ハードタイプ

  • FRP製(一体型・分割式)
  • アルミ製
  • 樹脂製

 

特徴

喫水が深いので(船体が海中に沈む深さの程度)、風の抵抗に強い分、潮流の影響を受けやすい。

ねじ止めが効くので、艤装がやりやすい。

空気室が無いものは、浸水したら沈む。

 

メリット

準備と後片付けが楽。

ゴムボートに比べると、劣化を気にしなくて良い。

手入れ次第で半永久的に使える。

 

デメリット

重いので移動が大変。

置き場所に困る。

 

ソフトタイプ

  • ゴムボート(インフレータブル)

 

特徴

葉っぱやアメンボウのように海面に乗るようにして浮く(喫水が浅い)。

FRP船と比較すると、喫水が浅いので潮流を受けにくいが、その分風の影響を受けやすい。

ハイパロンを配合したものは耐久性と耐候性が高い。

ハイパロンとは、摩耗、紫外線、オゾン、オイルに対して強い繊維素材です。

穴でも開いて空気が抜けない限り、絶対に沈まない。

 

メリット

折り畳めるので、自宅の押し入れにでも収納可能。

軽くて可搬性が高い。

 

デメリット

釣り場での準備と後片付け、帰宅してからも更にメンテナンス作業が必須。

  • 本体への空気入れ
  • 底板の設置
  • 座板の設置
  • 使用後に本体の塩抜き
  • 収納時のカビ対策

FRPに比べると、劣化の進行が速い。

穴が開きやしないかとの心配と気を使う。

実際に穴が開きやすい。

 

ざっと上げてみました。

以上を踏まえ、自分の置かれた環境と、好みで決めれば良い事かと思います。

と、そんな話で終わらせてしまうと身も蓋もないので、私自身の経験と想いを述べさせて頂きます。

 

ゴムボート(インフレータブル)

(画像:神奈川県三浦市側の和田長浜海岸)

ゴムボートアキレス

 

私の場合は考えるまでも無くゴムボート一択でした。

ゴムボートだと保管場所を気にする必要がありませんから。

気にする必要が無いと言うよりも、当時、ボートを自宅以外の場所に保管するなんていう発想は出ませんでした。

ボートに興味を持っていた訳ではなく、ちょっと沖に出て魚を釣りたかっただけなので、それだけ叶えられたらいいという感じ。

よって、悩む事なくゴムボートを購入するに至ります。

そんな事を思い返すと、初心者の方は、気軽に今すぐ始められるゴムボートを選択すると良いかもしれません。

いきなり、保管場所や維持費の事を考え出すと、手も足も出ないでないでしょうから。

とりあえずゴムボートを買って、いろんな場所へ赴き、釣りをしながら情報を拾いつつ、次のステップへ進みたければ進む。

ゴムボートでの釣りで満足出来るようであれば、それはそれで成功。

そんな事を考えると、とりあえずゴムボートから始めるのはアリかもしれません。

 

一体型ボート(リジット)

(画像:ボートエースGEB-23 自宅部屋)

手漕ぎボート ボートエース

 

一体型のボートは、保管場所をしっかり決めてから購入する事が必須です。

簡単に家の中に持ち込む事は出来ませんから。

そう言う私は、東京の家がひしめき合った地域のアパートに住んでいながら、ボートエースを部屋の中に置いていました。

1階に住んでおり、アパートの目の前が駐車場で、行く手を阻む物が無かったので、特に苦労する事なく出し入れは出来ていました。

そんな事が可能な物件に引越すというのも一考です。

 

どちらにも一長一短あり

どちらも一長一短あります。

ゴムボートは収納性と可搬性に優れている。

その代わり準備と後片付けが大変。

釣り場に付いたら、せっせと準備作業を始める。

釣りが終わると、後片付けを行い、帰ったら狭い風呂場でボートを水洗いする。

この作業はなかなか大変でした。

ボートエースは準備も片付けもメンテナンスも簡単。

その代わり、置く場所が必要だし、車への積み下ろしも大変。

 

一長一短も考え方次第

しかし一長一短も考え方次第でどうにかなる場合があります。

ゴムボートは準備と後片付けが面倒臭いです。

これは間違いない事。

私もゴムボートで釣りを始めた頃は、早く海に浮かびたい!

終わったらサッサと帰りたい!

そんな感じだったので、準備や後片付けの時間がもどかしいやら勿体ないやらと感じていました。

今はと言うと、海に到着したら、海況を眺めながらのんびり準備を始め、落ち着いて出船する。

釣りが終わったら、また海を眺めつつ、1~2時間掛けてゆっくりと後片付けをする。

なんて感じでやっています。

昔は面倒で嫌だった事を、今は丁寧にゆっくり楽しみながらやっています。

そんな境地に至れたら、一短は一長へ変化するかも?

まぁ、言うは易く行なうは難しかもしれませんが。

 

ボートの最大搭載人員

(画像:アキレスの2人乗り用ゴムボートEC-521)

手漕ぎボート釣り アキレス

座板を外し、底板に直接あぐらをかいて座り、目の前に大き目のタックルケースを積載した状態です。

私の足と、タックルケースの間にチョコレートの箱を置くスペースが残るぐらいです。

 

(画像:ボートエースGEB-23)

手漕ぎボート釣り 最大人員

ボートには最大搭載人員が設けられています。

手漕ぎボートはだいたい2人までの物がほとんどかと思います。

 

(画像:ボートエースの甲板の様子)

手漕ぎボート釣り ボートエース

このボートエースに2人で乗船した事は無いですが、最大2人乗船する事は可能だと思います。

が、2人乗船して、そこで釣りをする事は現実的ではありません。

怖すぎます。

 

(画像:エボシ305)

手漕ぎボート釣り エボシ305

エボシ305は最大搭載人数2名です。

同じ2人乗りのゴムボートやボートエースに比べるとかなり余裕が出てきます。

とは言え、やはり窮屈な感じは否めません。

 

アキレスEC-521、ボートエースGEB-23、エボシ305とも、最大搭載人数2人となっていますが、実質搭載人数は1名と解釈したほうが良いかと思います。

最大搭載人数÷2=実際に釣りが出来る人数

となります。

 

船底の形状

ボートの船底形状(ハル)にはいくつかの形があります。

 

  • 単胴船(モノハル)
  • 双胴船(カタマラン)
  • 三胴線(トリマラン)

 

それぞれの形状の特徴はザックリとですが下記のとうりです。

 

単胴船(モノハル)

波切り性が良い。

カタマラン、トリマランに比べると横の安定性が悪く、横にユラユラ揺れやすい。

 

ボートエースはモノハルで平底。

だと思ったのですが、リョービのサイトではセミカタマラン構造(双胴タイプ)との記載がありました。

ボートエース 平底

 

エボシ305はモノハル。

エボシ305 eboshi ボート

 

船尾は平底に近いので、安定性は良いです。

エボシ305 eboshi ボート

 

セブンイレブンはモノハルで丸型。

セブンイレブン ハル

セブンイレブン ハル

 

双胴船(カタマラン)

水との接触面積が大きいので、走行抵抗が大きい。

モノハルと比べると、横の安定性が高く、横にユラユラと揺れにくい。

 

カタマラン構造の海上保安庁船(画像引用元:ウィキペディア

カタマラン

 

 

三胴船(トリマラン)

トリマランの外形の特徴としては、カタマランと似たようなものです。

水との接触面積が大きいので、走行抵抗が大きい。

モノハルと比べると、横の安定性が高く、横にユラユラと揺れにくい。

 

ボストンホエラーはトリマラン。

ボストンホエラー トリマラン

 

ミニボートにお勧めなのはモノハルで平底タイプ

まとめます。

 

ただでさえ小さいサイズのミニボートが横にユラユラと揺れるのは怖いです。

前から後ろに掛けて、全体が丸型のハルは、片側に重心を掛けると、海水が入り込みかねないような勢いで傾きます。

ちょっと勢いを付けると、完全に水が入り込みます。

というわけで、ハルが丸型のものはお勧め出来ません。

 

横の安定性については平底のゴムボートが最強かと思います。

しかし、平底タイプは安定性が良い分、喫水が浅いので風の影響を受けやすくなります。

 

カタマランとトリマランは水の抵抗が大きいので船速は遅くなりますし、ミニボートでの選択肢は限られます。

 

以上を踏まえておすすめは、モノハルで船首側は波切性が良いV型で、船尾側に行くほど横揺れに強い平底に近いもの。

 

例に上げた3艇(ボートエース、エボシ305、セブンイレブン)の中でベストを選ぶとすればエボシ305です。

 

納艇までの期間

保管場所の目処が立ち、欲しいボートが決まったら、やっとボート購入へと進められます。

そこで気を付けて欲しい事が一つ。

FRPのミニボートを新品で買う場合、注文を受けてから制作に取り掛かるメーカーさんがほとんどだと思います。

納艇までには1~2ヶ月は要すると思って下さい。

 

まとめ

まず、保管場所を確保する。

保管場所が確保出来たらボートを選ぶ。

管理人がおすすめするのは、ハードタイプのモノハルで、ハル(船底)の形状は船首側は波切性が良いV型、船尾側に行くほど横揺れに強い平底に近いもの。

新品のFRP船は納期が1~2ヶ月必要。

 

ボート選びは堂々巡りになるかと思いますが楽しんで下さい。

 

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おわり

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